第23章 真相編
それから数日経つも、獣はやはり獣の姿がいいようで、屋敷の中で暴れまわった。
ゼイランが起きてリビングに行くたびに、調度品や床のラグは無残な姿になり、彼は引きつった顔で立ち止まる。
「はあ。元気なやつだ。……おい、ルドガー。止まれ」
そう命じても、青い獣は聞こえない様子でラグやカーテンを噛みちぎっている。
「ルドガー! お前のことだ!」
そう言ってやっと、幼獣は動きを止めて振り向いた。
黒目を興味深そうに丸くし、銀髪の男のもとへ来る。
「ルドガー……ってなんだ?」
「お前の名前だよ。…どうだ、強そうでかっこいいだろ?」
数日考えてゼイランが編み出した響きのよい男の名である。
黒く波打つ硬質な角からイメージがわき、気に入っていた。
「俺の名前……うれしいぞ、ゼイランさま!」
「ふっ。よかったな。ではその名に恥じぬ振る舞いをしろ」
「わかった!」
ルドガーはまた持ち場に戻り、部屋中を壊しまくった。
肩がずり落ちたゼイランだが、それを見てため息を吐く。
「確かに自由に過ごしているな。俺が悪い」
口元をわずかに上げ、その部屋はルドガーの遊び場に作り替えることにした。