• テキストサイズ

巨体の人外に助けられて世話される話

第23章 真相編


「おいお前。お前だけか? この俺と目を合わせる根性がある奴は。……小さいのにな」

そう言って彼が瞳をふっと柔らかくすると、青い獣は四つ足で立ち上がった。
ゼイランのもとに、ゆっくりと近づいてくる。

足元までたどり着くと、男の銀色の瞳に興味深く見下ろされた。

「どうした。やはり俺が怖いか」

獣は首を振った。
三角の小さな耳をピンと立てたまま、黒いまっすぐな瞳がゼイランを映す。

そして上質な靴に鼻を近づけ、匂いを嗅いだ。
一瞬困惑するほど、強く気高い香りだ。

青毛の獣は、突然しゃがんだゼイランに抱き上げられた。

「……ッ」

両手で脇を持たれ、じいっと見られると、獣は初めて瞳を怯えさせた。

そんな様子を見てもゼイランは笑わず、獣の瞳をぎろりと自身の鋭い眼差しで捕らえた。

ゼイランの瞳孔が縦に開き、舐めまわすように探っている。
悪魔族の彼の、もはや獣的な本能からくる確かめ方だった。

「ふん。漏らさないのは偉いな」

からかうように言うと、もうゼイランはその獣が気に入っていた。

本当は最初から強い大型の猛獣を買おうとしていたが、気が変わった。

「ふふふ。お前にするか。よし、もう一度立ってみろ。俺にアピールしろ」

地面に置き、さっそく上から命じる。

すると獣は、精一杯恐ろしい顔つきで、彼に向かって吠えた。
唸り声で威嚇するが、半分はもうゼイランに魅せられていた。

この男は明らかに、強いオスだと。
周りの猛獣たちをまったく意に介さず、なにより獣たちが、彼に手出しできないでいる。

そんな孤高の存在に、自分がこうして興味を持たれていることが誇らしく感じた。

初めて獣の自分という存在を認識された瞬間であった。

「さあ行くぞ。ついてこい」

獣は彼の足元に喜び勇んでついていこうとするが、ふと立ち止まった。
/ 422ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp