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巨体の人外に助けられて世話される話

第23章 真相編


それから数か月が経ち、施設に一人の貴族の男がやって来た。
魔族の中でもひときわ目を引く、華やかな男だ。

銀髪を短く整え、白のコートを羽織った彼は、魔術師に案内をされて廊下を歩いていた。

「ここにいるのは魔界のあちこちから集められた希少種ばかりなんですよ。使っても良し、売っても良し。きっと旦那のお気に入りが見つかるはずです、へへへ」
「ああそうか。俺は戦場で戦える獣を探してるんだ。即戦力をな」

品のない職員に眉をひそめつつ、公爵ゼイランの足取りは確かだ。

彼はここに他の貴族の紹介でやって来た。
希少種の魔獣だけを集めた特別な保護育成施設であり、きちんとした検査と教育を受けているのだと聞いている。

ゼイランはローブ姿の魔術師に、ある大きなホールに連れられた。
檻や獣の寝床が並んでいたが、ずらりと魔獣たちが取り囲むように集められていた。

「躾られているので安全ですよ。では私は書類のほうを作成してきますので。ごゆっくりどうぞ」

入り口付近で小声で話し、魔術師は彼を一人にした。

こんな部屋に残されれば、普通は怯えるものだ。
だがここでは、猛獣たちのほうが彼を警戒した。

ゼイランはただ真ん中で立ち止まり、涼やかな瞳で見渡す。

「……お前達、俺が分かるか?」

そう呟き、彼は体の内側から外へと、黒く膨れ上がるようなオーラを放った。

殺気を感じた猛獣たちは誰も動かず、ただ息を殺して様子をうかがっている。

けれどそんな中で、壁の端にいる一匹の幼獣に、ゼイランは気づいた。

青い毛をした狼の子供に似た顔つきで、こちらを睨みつけている。

「ふっ」

ゼイランは薄笑みを浮かべ、そいつを見た。
しばし見つめ合い、静かに威嚇してみたが、その青い獣は引かなかった。
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