第23章 真相編
ルドガーは生後間もなく、獣の親に森に捨てられた。
彼らの種族は本能で戦闘を生業とし、繁殖のあとも子育てをするタイプと、しないタイプに分けられた。
ルドガーは後者だった。
生き方も分からなかった頃に、その青い小さな獣は、魔術師の小隊に拾われる。
彼らに人里離れた施設へと持ち帰られ、保護された。
ルドガーはその後、施設で暮らし始める。
一日の大半は訓練場で過ごし、専門の魔術師たちに戦術をしこまれた。
自分より大きい獣と戦わされたり、魔術師の攻撃魔法を受けたりした。
ひどいときは、身を縛るような拘束魔法を当てられ、必死に抗った。
「おらおら! そんなんじゃもっとでかい獣に食われちまうぞ!」
「くう……っ…………」
「魔族に捕まったらこんなもんじゃねえ! 腹に力入れろオラ!」
彼がぱたりと地面に倒れると、ローブを着た屈強な男がぞんざいに拾い上げる。
また戦闘に戻したり、場合によっては獣たちの寝床がある部屋に連れて行った。
ルドガーは毎日二回ご飯を与えられたが、部屋の真ん中に大釜が二つあり、一斉に大小様々な獣たちが押し寄せてきたため、小さいルドガーは吹っ飛ばされたりもした。
「うぐ、ぅっ……」
だが彼はめそめそ泣くタイプではなく、うめきながらも黒い瞳の目力だけは強かった。
いつかここから出てやる。そして、自由になってやる。
そう思いながら、歯を食いしばって生きていた。