第22章 新たな一歩編
「そんなに服の前で嬉しそうなあなた、初めて見たよ」
「だって、お前からもらったものだからだ。……すごく格好いいな、俺に似合うだろうか?」
絶対似合うよ!とあなたが嬉しくなりおすすめすると、さっき服を着替えたばかりの彼は、もう一度上を脱いでシャツを着こんでくれた。
分厚い胸が張っていて、上からでも筋肉質で美しい体の線が分かる。襟元も袖も、きっちりと大人な雰囲気でとてもよく似合っていた。
「格好いいよ~最高っ!」
「ははっ、そうか? 嬉しいな。……ありがとうな、。最高の贈り物だ!」
ルドガーはにこりと笑って、あなたをふわっと抱き上げた。
二人は近い目線で笑顔を交わし、また唇を重ねる。
今日はあんなことがあったのに、今こうして幸せな気分で向かい合ってることが、奇跡にも思える。
でも本当は、必然なのだ。たとえ何かが起こったとしても、二人の間を変えることはできない。
そこに在るのは、二人でこれまで作ってきた、大切な居場所だからである。
「すごく気に入ったぞ。毎日着るか」
「ええっ、すぐボロボロになりそう」
「それは嫌だな。じゃあ特別なときにしよう。お洒落なデートのときだ」
「うんっ!」
明るい約束をして、あなたもとびきりの喜びを見せる。
二人は手をつないで、しばらく厩舎で寄り添っていた。
するとまた、今日のことを振り返る。
「ねえねえ、あの人、どうなるのかな。大丈夫かな」
「……そうだな。ミザロが決めることだ。俺達はひとまずそれに従う」
「うん……」
肩に頭をそっと預けていると、彼があなたの顔をのぞきこんできた。
「大丈夫だぞ、。何があっても、俺たちは一緒だ。そうすれば怖いものはない。何にも負けないんだ」
踏み込んだ彼の言葉が、今のあなたの心を柔らかく包んでいく。
指を絡ませた手のひらからも、二人の繋がりを感じて、あなたは力強く頷いた。