第22章 新たな一歩編
魔術師は連行され、あなた達は騎士団に帰ってきた。
明日の尋問までの間、彼女はミザロの監視下に置かれることになった。
皆と別れたあと、あなたは獣のルドガーと騎士団の厩舎に向かった。
彼はさっき獣化した際に服がはじけ飛んでしまったため、あなたは一度部屋に戻り、服を持ってきたのだ。
「はい、ルドガー」
「ああ、すまん」
裸になった彼はもう落ち着きを取り戻していて、服を着ると、そのまま藁の上に腰を下ろした。
黒髪をくしゃくしゃと掻いて、頭を整理しようとしているようだ。
あなたはそんな彼のそばに、寄り添って座った。
「ごめんね……あんなことになって。心配かけたよね」
「いや……俺こそ悪かった。頭に血が上ってな。……だがお前が無事でよかった。連れ去られでもしたらと思うと……」
ルドガーは眉間にしわを寄せ、険しい表情で拳を握る。
あなたが申し訳ない気持ちで言葉に詰まっていると、彼はこちらを見た。
「お前の守護者の仲間だというのは分かっている。だが、俺はまだ……信用はできていない。ずっと……」
あなたの手を握って、彼は少しつらそうに明かした。
心が掴まれて、あなたも身を乗り出す。
「分かるよ。だって知らない人だもんね。あんなふうに近づかれたら、普通心配するよ……」
正直あなたも、あの紫髪の魔術師に少し怖さは感じた。
セロ達に対しての冷たい態度と、自分への崇敬の念みたいなものの落差に。
それをルドガーにも説明したら、彼も不審に感じたようだった。
彼女に対するセロとナザルの強い警戒心や怒りも、あのとき目の当たりにした。
それはあなたとルドガーを守るためでもあり、今や自分達は仲間なのだと、気持ちが強固にもなった瞬間だった。
「あいつらがいてくれてよかった」
「うん、そうだよね。私のことも、守ってくれたんだ。……もちろん、ルドガーもだよ」
皆を守る盾のように立ちはだかってくれた彼が愛おしく、あなたは膝立ちで彼の肩に手を回す。
抱きつくように抱擁すると、太い腕が背を包み、力強く抱きしめ返された。