• テキストサイズ

巨体の人外に助けられて世話される話

第22章 新たな一歩編


口元を素早く動かしながら、彼はゆっくりと右手を上げる。
それから地面に向かって力強く下ろした。

「……ぐ、ぅウッッ!」

すると紫髪のデシエは、突然地面に体をひれ伏す。なにか強大なものに押さえつけられているかのごとく、這うようにもがいた。

それでも彼女は諦めず、口元で呪文を唱えようとする。

だがミザロは近くまでやってきて、手を伸ばしたまま彼女の顔に向けた。
そしてぐっと、掴むようにして捻り上げる。

「あ、ああ、ぐ、ぐ、や、やめ、ろ˝」

女のもがき苦しむ声が聞こえて、あなたはミザロに向かった。

「師匠! 苦しそうです、やめてください!」
「苦しめてるんです。これでいいんですよ」

師の恐ろしい文言には、その場の誰も口を挟むことはできなかった。

やがてデシエは力尽き、地面でうつぶせになり意識を失う。
獣のルドガーと、セロとナザル、あなたは皆頭が冷えた様子だった。

誰も何も言わず、ミザロの動きを待った。

黒ローブの彼は、ナザルを見やる。

「彼女を運んでください。目覚めたら尋問ですよ、皆さん」
「……あ、ああ。わかった……」

ナザルは言う通りにし、女を肩に担いだ。

あなたは心配したが、セロが「殺しちゃいねえ。あいつはこんなんじゃ死なねえアマだ」とまだ警戒しながら吐き捨てた。

あなたは落ち着きを取り戻したルドガーを見やった。

買い物に来ただけで、こんなふうになるとは。
しかも、彼とこんな劇的な形で再会するとは。

「ルドガー……」
「大丈夫だ、。終わった。俺たちも帰ろう」
「……うん。そうだね。一緒に帰ろう」

獣の彼の隣で、あなたはひとまず頷いた。
/ 403ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp