第2章 訪問客編
「この間の話はもういい。お前達の思いは理解している。話は別にあるんだ」
「そうか。なんだ?」
「単刀直入に言うが⋯⋯に気があるのか?」
あなたは茶を吹きそうになった。
彼の肩を掴み、やめてよ!と反抗しそうになったが、その前に虎獣人の笑い声が響いた。
「くくく、はっはっは⋯⋯! いや、悪い。ふざけてるわけではなく⋯⋯俺が友人の好きな相手に手を出すわけないだろう? 要らぬ心配だぞ、ルドガー」
彼はまだ笑いをこらえた様子であなたを見やった。
こちらも恥ずかしくて縮こまり頭を下げる。
「素敵なお嬢さんだけどね。彼女も困るだろう、俺達みたいな図体のでかい異種族二人に同時に言い寄られたら」
虎の青い瞳がにこりと細まり、彼はまるで親のような顔つきで顎をさすった。
「はは⋯⋯確かにちょっとびっくりするかもしれませんね。すみません、彼が勘違いしてて」
「それだけ君を本気で好きなんだろうね。俺は構わないよ。こんな年の男を恋敵として見られて悪い気はしないさ」
「えっ⋯? セヴァさんって何歳なんですか」
「150才だよ」
あなたは驚愕する。虎族はそんなに長生きなのだろうか。
「そんな風に見えないな〜。全然若いですよね。強そうだし。⋯⋯じゃあルドガーって何歳なの?」
「俺は二十歳だ」
「ええ!?」
もっと驚いて立ち上がりそうになった。
悪いけど三十前後かと思っていた。
彼はかなり完成された大人っぽさがあり、表情もだが堂々とした剛健さにあふれている。
「でも、私もたぶん自分が見た目で十八ぐらいかなって思ってたから、変わらないんだね。そっかぁ」
「ああ。ちょうどいいんじゃないか? 番としてはぴったりだな」
「はあっ? まだそこまでは言ってないけど!」
人前で恥ずかしいことを言われて突っ込むと、彼は身体をむけて笑みを浮かべてきてドキリとする。
そんな二人をセヴァは微笑ましく見つめていた。