第22章 新たな一歩編
「これ恰好いい~どれにしよう、決められないよ~」
「おういいじゃん。全部買えば?」
「お前飽きてきたんだろ。……そうだ、俺がこの場で裸になって試着してやろうか?」
「あ、大丈夫です」
あなたはナザルの大きな背に服を当ててサイズを確かめたり、ルドガーの背格好に似合うかどうか入念に確かめた。
「やっぱこれにしようかな! 二人とも、どう思います?」
「うんばっちりだな。お前男物はセンスいいわ」
「もうどういう意味ですか」
「ははっ」
三人で息が合ってきた会話に、あなたもけらけらとお腹を抱えて笑う。
すると紳士服売り場で、ふと寂しさが襲った。
静かになり、二人を見つめる。
「皆でこうしてお買い物するの、本当に楽しいなぁ。……私、バカだ。ルドガーがここにいたら、さらに楽しかったですよね」
サプライズしたいのは事実だが、彼を誘えばよかったと後悔してきてしまった。
あなたは今日もずっと頭の中ではルドガーのことを考えていたのだ。
するとセロ達もしんみりしたあと、温かい面持ちになった。
「また今度誘えばいいだろ。いつでも来れるんだからさ、四人で来ようぜ」
「そーだよ、。あんたがあいつ大好きなのはわかったから、今度はルドガーも連れて来ればいいじゃねえか」
二人にそう声をかけられて、あなたの表情が明るさに包まれていく。
「そうですよね……! また来れますよね!」
「そうそう。つうかさ、実はな……。ほら、これ。俺、あいつから通話魔石渡されててさ」
あなたの様子に少し心が動かされたのか、セロがポケットから細い魔石を取り出す。
「なんかあったらすぐ通話かけてこいって。はは、やっぱ心配してんだろ。あいつらしいよな」
「だよな。抜け目ねえわ」
男達は顔を見合わせて笑っている。
あなたはひとり、潤んだ瞳で二人を感動的に見上げた。