第22章 新たな一歩編
今日は久々にルラ・パルセの街にやってきた。
すでに春らしい陽気の中、あなたは耳当てをし、セロもニット帽で人間の耳を隠している。
二人とも動きやすい普段着だが、ナザルだけは気合いの入った赤シャツに白ズボン、赤髪もオールバックにして、アクセサリーをじゃらつかせていた。
「お前なんだそのチンピラみたいな恰好は。俺たち、どう見ても怪しい人身売買のスカウトに連れていかれる若者じゃねえか」
「はあ? 実情はお前のほうがいかがわしい魔術師だろ。……はっ、今日は俺らの特別なデートだからなあ、なあ?」
「違いますよ。私はデートはルドガーとしかしないんです。今日は大事なお買い物の日なんですからね?」
きっぱり言うものの、自信満々なナザルは聞いておらず、あなたの肩に手をかけてにこりと笑いかけてくる。
「へっへっへ。俺の首見て? 首輪もう取れたんだよな! これであんたを心おきなくナンパできるぜえ」
「お前な。120歳にもなって恥ずかしくねえのか! 自分がジジイだってことを自覚しろ、みっともねえんだよ!」
「うっせーな、ほんとにモテるやつに年とか関係ねえ! それに俺は永遠の二十五歳なんだよ!」
「永遠とか言ってる時点で若者じゃねえから!」
あなたは二人のいつものやり取りに真ん中で笑っている。
この間獣化したナザルを皆で洗って仲良くしていたのに、結局こうなるのだ。
「ふふっ、にぎやかでいいですねえ。……あっ、魔道具用品店ありましたよ! 入りましょうか」
セロが案内してくれたのは、街角の路地裏にひっそりと佇む、魔族の魔術師たち御用達の店だ。
あなたはそこで色々なものを物色した。魔術師の心得が記された本や、めずらしい魔術書、ずっと欲しかったローブなどだ。
ナザルはつまらなそうにしていたが、常連のセロものめりこむように漁り、二人はそれぞれ欲しいものを購入して出てきた。
「おう。ずいぶんてんこもりだな。荷物はこいつに持たせとけ」
「いいぜ、今日はお前らの荷物持ちに徹してやる」
「ありがとうございます。……見てみて、これどうですか? ピンクのローブ!」
あなたが一目ぼれした薄ピンクのローブを羽織り、くるりと回って可愛くポーズを決めた。