第22章 新たな一歩編
その日の夜、ルドガーにあることを言わなければならなかった。
悪い意味で、あなたはドキドキしている。
帰宅した彼に身体測定は何も問題なかったと伝えると、安心して喜んでくれた。
いつものように夕食と風呂を済ませ、二人で居間の床に座り、くつろいでいた時のことだ。
「あのね、実はルドガーにちょっと話が……」
「なんだ? どうした、」
何も知らない彼に次の台詞を発することが、早くも胸を痛めた。
「……えっ? お前ひとりで、街に買い物に行くのか……?」
事情を話すと、ルドガーは思っていた以上に動揺していた。
「一人じゃないよ。セロさんとナザルさんもついてきてくれるって。昼の時間に、ちょっと魔術書を見に行こうと思ってさ」
それも本当のことだが、実は一番の目的は、ルドガーに内緒でプレゼントを買いたいからだった。
彼と一緒に行って選んでもいいのだが、やっぱり驚かせたかったし、自分にとって初めての贈り物で喜ばせたかった。
「俺がいなくても、大丈夫か……? 少し心配だ……」
屈強な彼の声が次第にしぼんでいくのを聞いて、あなたは理由を話したくなるのをぐっとこらえる。
「すぐ帰るよ、昼の2、3時間だけだし。あなたが仕事から帰る前に戻るから。一緒にご飯食べるんだからね」
手をぎゅっと握ると、彼のこちらを見つめる瞳が揺れ、やがて小さく頷く。
「……ああ、わかった。本当に気をつけるんだぞ。……でも、大丈夫だ。セロもナザルも、一緒だからな」
小さな手を大きな両手が覆い、優しく握ってくれる。
以前ならば、こんな言葉が彼から出てくることはなかったはずだ。
でも今は皆での任務を終え、四人の関係も明らかに変わっていた。
だからルドガーも、あなたのことをその時間には任せられると信じた様子だった。
「ありがとう、ルドガーっ。すぐに帰るからね。その次からは絶対、あなたも一緒なんだから!」
「そうだぞ、俺も一緒だ。忘れるなよ、。今回は特別だ」
「うんっ」
若干寂しそうな表情だったが、あなたの初めての単独の買い物を、彼も応援してくれている。
その気持ちを大事に受け取って、絶対に素晴らしい贈り物を見つけようと、あなたは心に決めていた。