第20章 任務編
「よお、。どうだ? 俺の姿は。まずあんたの感想が聞きたいな」
「⋯⋯あの、すごく素敵ですよ、ナザルさん」
「そうかい。嬉しいぜ」
本当に、獣になると雰囲気がかなり違う。
もっとクールで大人に見える。
彼はルドガーよりもかなり年上らしかった。
「えっ! 120歳!?」
「そうなのか? なら俺のことをガキ扱いするはずだな」
「へっ。俺もまだ若いけどな、脂の乗ったオスそのものだ。⋯⋯まあ幻獣だから、もう年はとんねえけどな」
あっけらかんと言う彼の謎は、ますます深まる。なぜルドガーと似た姿なのに、幻獣なのだろう。
話していると、セロが容赦なくナザルにお湯をぶっかけた。
「お〜。獣化したお前、数年ぶりに見たわ。あんま変わんねえな。前の覚えてねえけど」
「お前なぁ⋯⋯もっと優しくかけやがれ! 獣に対する労りを少しは見せろ!」
また喧嘩が始まるかと思ったが、セロの照れ隠しだというのはあなた達は気づいていた。
「へーへー。今洗ってやるよ。ほらこのシャンプー。ルドガー、お前もこれ最高だっただろ?」
「ああ、最高だった。気持ちよかったぞ。おすすめだ」
セロが手に泡をつけ、ナザルを洗い始める。
だが体力のない彼はすぐにその巨体にバテ始めた。
「はぁっ、はぁっ、なんだこのサイズ、デカすぎだろ、お前よく一人で出来たな!」
「ふふっ。愛情込めてたらあっという間なんですよ。ほらブラシも使って」
アドバイスするも不器用なセロは苦戦している。
「お前らも手伝え!」と言われてあなたはちらっとルドガーを見た。
彼も頷き、一緒に洗おうとする。
すると赤毛のナザルは「お前はいい。鳥肌が止まらなくなる」と制止したので、あなたとセロは笑った。
結局2人で泡をつけて楽しくナザルを洗った。
ルドガーはお湯をかけて流してやっている。
なんだろう、この温かい空間は。
ちょっと前の自分達ならば、考えられなかった光景だ。
なによりルドガーの変化が、あなたにもこそばゆくて嬉しいものだった。
後日、小屋の看板は少しだけ手が加えられていた。
『&ルドガーの大浴場』(+仲間用)と。