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巨体の人外に助けられて世話される話

第2章 訪問客編


隊長に会うと言い出したルドガーは、本当に約束を取りつけた。場所は相手方の家で、招待をうけたらしい。

あなたは初めて小屋の外に出ることに興奮した。
とはいえ、この深い森を移動するのは危険なため、屋敷の執事が迎えにきたのだった。

転移魔法であっという間に屋敷に転送されて、驚きのあまり目が回る。

「――ルドガー様。様。もうすぐ旦那様がいらっしゃいますので、ご自由におくつろぎください」
「は、はい。どうもありがとう」

天井の高い客間に通され、あなたはぼうっと見渡す。白亜の壁に包まれた荘厳な聖堂みたいな雰囲気だ。

執事も制服を着込んだ虎獣人だったが、隊長セヴァはどれほどお金持ちなのだろう。

勇ましい軍人のイメージとはまったく違った。

「ねえルドガー、これってケーキだよね。テーブルにお菓子がたくさんあるよ」
「ああ、そうだな。甘ったるい匂いが充満している」

不機嫌そうな彼はふかふかのソファにも座らず、気配に耳を研ぎ澄ませて立っている。

この間とは別の制服姿で、たくましい体に濃色の軍装がぴったりだ。

「そんなにピリピリしないで。座ろうよ」
「⋯⋯仕方ないな」

優しく手を伸ばすと、態度を柔らかくしたルドガーは隣に腰を下ろした。
黒い角はそのままだけれど、うねる短髪は凛々しくセットしている。

あなたも粗相のないように上品なワンピースにカーディガンを羽織ったが、静かな所にいると緊張した。

ルドガーのネクタイを直したりして待っていると、彼の瞳がじっと見つめてくる。

「最近、お前に触れられることが多くなった気がする。⋯⋯もう怖くないか?」

そう尋ねる声が優しくて、急に落ち着かなくなった。

「別に最初から怖くないもん」
「⋯⋯そうか。それならいいが」

ふっと笑ったルドガーは爪をしまった手であなたの頬に触れ、そこに優しくキスをする。
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