第20章 任務編
「大変ですよ! これ、宝物じゃないです! ……あっ、いや、きっと誰かにとっての大切な宝物のような存在だと思うんですけど、これは、お墓みたいなものなんです、きっと!」
あなたがそう叫ぶと、二人は「あ?」という不明瞭な顔つきをした。
立ち上がった男二人に、あなた達が見たものを見せようとする。
だが、もうその棺は閉まっていた。
「おい、お前らな……んなセンシティブな嘘つかなくてもいいんだよ。俺らもう諦めたから」
「嘘じゃないですって! 信じてくださいよ!」
「そうだ。嘘じゃない。獣の骨が綺麗に横たわっていた。俺達は確かに見たんだ」
ルドガーは、いつもより暗い声で伝えた。
あなたもなんだか物悲しい気持ちになってくる。
昨日、あのコウモリがこの場所へ導く道を示してくれた。
短い時間だったが、偶然だとは思えない何かを感じた。
しんみりした空気をさすがのセロも感じ取る。あまり茶化せない雰囲気だと。
ナザルもあなたの優しさはもう知っていたが、同じ獣のルドガーが若干のダメージを負っているのを察した。
だから彼も腕を組み、めずらしく思いを巡らせる。
「……そういうことか。獣でも、そこまで大事にされることあるんだな」
ナザルはそう呟いたあと、こう続けた。
「じゃあここはもうやめとくか、セロ。さすがの無法者の俺達でも手だしたらやべーだろ」
「おう。そうだな。祟られたくないし。……よし、じゃあ皆でお参りして、許してもらおうぜ!」
主犯はこの二人だったが、あなた達も素直に彼らに従い、皆でお祈りを捧げることにした。
ひとつひとつの棺の前で、四人一列になって瞳を閉じて過ごした。
「ルドガー、大丈夫…?」
隣に佇んでいた彼が無口だったので、終わってから声をかけた。
すると彼は思慮深く頷いた。
「ここは霊廟だ、」
「……霊廟?」
「ああ。きっとお前の言ったように、この六体の獣たちを誰かが大事に世話し、祀ったのだろう。静かで、畏敬を感じる場所だな」
ルドガーもまた心をこめて、彼らのことを悼んでいるのが印象的だった。
あのコウモリの姿はもうない。
あなたはもう一度会ってお礼が言いたかったが、もしかしたら、この遺跡に住む精霊のような存在なのかもしれないと感じた。