第20章 任務編
表情はないが、大きめのコウモリは、あなたのことを黒い瞳でじっと見つめてくる。
あなたはもう恐れることはなく、ゆっくり近づいていった。
そしてコウモリの前で、床に足を崩して座りこんだ。
「どうしたの、コウモリさん。あなたも疲れちゃった? もしかして、ここから出たいのかな?」
考えてみるが、自分たちですら出口が見つからないのにと、頭を抱える。
するとコウモリはその宝箱から下りて、あなたの膝の上にやって来た。
「ふふ、可愛いね。もう怖くないよ。……触っていいのかな」
任務中であることも忘れ、動物と戯れることを選ぶ。
するとルドガーが後ろから近づいてきた。
あなたは彼の気配に気づき振り返る。彼はむっとした表情だったが、あなたの隣にそっと腰を下ろした。
コウモリへの警戒を最小限におさえ、冷静に観察するにとどめる。
「そいつ、お前になついてるんだな。獣たちは皆お前の虜だ」
「……ふふ。そうかな。私はルドガーだけでいいけどね」
そう伝えると、彼は嬉しそうな笑顔を見せた。
思わず床についた彼の大きな手に、自分の手を重ねて繋いだ。
その間もコウモリは大人しくしている。
かと思ったら、羽を出してまたパタパタと宝箱に乗った。
それから、なんと箱の重い蓋がゆっくりと開いたのだった。
「あっ!!」
驚愕したあなたとルドガーは、中を覗き込む。すると、そこには骨が入っていた。
何かの動物の骨格らしきものが、その形のまま、上質な布の上に並んでいた。
それを見たあなたは、心臓がどくっと静かに鳴った。
ルドガーと顔を見合わせ、急いで立ち上がる。
他の部屋へ行き、セロ達を探した。
見つけると、彼らはもう諦め、そこにしゃがんで駄弁っていた。