第20章 任務編
任務初日の夜、あなたは皆より長く眠ってしまい反省した。
だがルドガーも交代してからきちんと休み、それぞれが体力回復出来たようだ。
また荷物をまとめ、最終目的地を目指して遺跡内を進む。
人工的な石床はどこまでも続き、ある地点で地下への階段へと潜っていった。
魔物の気配はなく、それどころか植物や虫なども見られない。
静かでひんやりとした、不思議な白い空間が続いていた。
「ここ、なんの目的なんだろうね」
「ああ……不気味だな。人の手が入っているように思えるが」
「やっぱ罠だろうな。……んっ? 見てみろ、宝箱だ!!」
罠と言いながらも、セロが奥にある装飾された箱へと突き進んでいく。
彼はすぐにこじ開けようとしたが、びくともしなかった。
宝箱らしきものがある場所は、いくつかの部屋に分けられていて、全部で六ケ所もあった。
部屋はそれぞれ装飾の種類、周りの棚などの規模が違う。でもどこも綺麗な様子だった。
「おい、なんだよここ。なんで宝がバラバラなんだ?」
「うーん、なんででしょう……ほんとに罠なのかな。でも開かないし、部屋に私達が入っても何も起こりませんよね…」
皆はまるで博物館に来たように、それぞれ殺風景な部屋の内観を見て回る。
そのとき、大きな音がした。セロがある部屋の宝箱を、攻撃魔法を使って無理やり開こうとしていたのだ。
「ちょっ、ちょっとセロさん! やめてくださいよ! もし箱が開いてあなたが食べられちゃったらどうするんですか!」
「んな漫画見たいなこと起こるかよ。おいナザル、お前も試してみろ」
ナザルは宝の中身というより、力試しの感覚で強い蹴りを入れた。
それでもビクともせず、闘争本能に火がついた彼は両手で殴り掛かっていた。
「や、やばいよこの二人! 嫌な予感がする!」
あなたが焦りから右往左往するも、ルドガーは顎に手を当ててその様子をじっと眺めていた。
だめだこの三人。
きっと倫理観とか情緒が自分とはズレているのだろう。
そう諦めかけたあなたは、他の部屋の宝箱に向かった。
すると箱の上に、昨日の黒い吸血獣がちょこんと乗っていた。