第20章 任務編
彼は遠くでぼうっと突っ立っているナザルへ近づいていく。
そして死んだような目で、こう呟いた。
「あ、あのさぁ」
「なんだよ」
「その……なんていうか。……ありがとうございました」
「はぁっ?」
ナザルは素っ頓狂な声を出した。自分の主になにか異常でも起こったのかという目つきだ。
だが彼は、ルドガーほど鈍感なタイプでもない。
「なんだその棒読み」
「そう? ありがとう~ナザル~」
「気持ちわりいな! 今度はなんだよ!」
「の真似」
セロは30近い青年だがお茶目な面でごまかした。
ナザルは素直に大声で笑う。
それを聞きつけたあなたは、ルドガーとともに向かってきた。
「二人ともお疲れさまです!」
「おうお疲れ。おいセロ、さっきのもう一回にやってみろ」
「お疲れ~~」
「ひっ。な、なんですかその笑顔。ちょっと気持ち悪いんですけど、声も」
「お前の真似だぞ」
「……ひどい! そんなんじゃないもん! ねえルドガー!」
あなたが心外だと涙ながらに彼の腕を引くと、しっかり頷かれた。
「ああ。はそれの百万倍可愛い。殺すぞ」
戦闘での荒ぶりがぶり返したルドガーだけは真面目に返したが、二人の男はさらに爆笑していた。
よく分からないけれど、皆体がくたくたのわりには明るい雰囲気だった。