• テキストサイズ

巨体の人外に助けられて世話される話

第20章 任務編


「頼むから無茶はするな。俺だったら一撃で殺せた」
「ごめん。でも、なんか……普通の獣じゃなかったよね…?」

見上げて見つめ合うも、結論はでない。やはり古代遺跡は分からないことだらけだ。

一方ナザルは、黒いモヤ状になり、扉をすり抜けることにした。
皆で待機していると、彼の姿は消え、しばらくして向こうからくぐもった声が響いた。

「なんもねえ。大丈夫だ! 壊すぞ!」

そして彼の力強い拳が、いとも簡単に石扉を撃ち抜く。

ガラガラと崩れ落ちた石の向こうには、人化したナザルが余裕で手を振っていた。

しかしそこは、物がなさすぎて不自然な場所だった。

白く精巧につくられた硬質なタイルが敷き詰められ、縦長にずっと広がっている。

「ここ、なんだ…? 空間魔法か?」

セロが手触りを確かめながら呟くと、ルドガーも人工的な造りの匂いを感じていた。

その時だ、突然壊れたはずの石扉が再生したのは。
砕け散ったがれきが浮いて集まり、大きな音を出して元の壁に戻った。

あなた達は見開いた視線を合わせる。

そしてもっと不気味だったのは、その扉が黒く塗りつぶされて硬質な金属みたいに変形したことだった。

「ひっ、ひい、なんなのここ! 本当に魔法なのっ?」

あなたは混乱して辺りを見回すが、しんと静かになったままだ。

男三人は落ち着いた様子で、思案している。
ルドガーが口を開いた。

「このわけの分からなさが古代遺跡というものだ。……俺達はひとまず閉じ込められたようだな」

ため息を吐くと、セロ達も面倒くさそうに頷いていた。
あなただけが内心、阿鼻叫喚であった。

そして近くには、誰にも気づかれない気配で黒いコウモリが座っていた。
/ 422ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp