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巨体の人外に助けられて世話される話

第20章 任務編


「だ、大丈夫なの⋯!?」

あなたはきょろきょろして二人に尋ねるが二人とも「大丈夫」としか言わなかった。

ひとりでパニックになるわけにもいかず、ずっと耳を澄ませて耐えていたが、やがて音が静まった。

でもルドガーは帰ってこない。

「どうしよう、勝ったの? ルドガーっ⋯⋯!」

あなたが泣きそうな目元で探すと、ナザルは「勝ってる」と言った。一瞬ほっとするものの、なぜ戻ってこないのだろう。

その防御魔法から出ようとしたとき、セロがあなたを掴んで戻した。

「セロさん! ルドガーが!」
「大丈夫だ、あいつがやられるわけねー、もう少し待ってろ、あいつの強さ信じろよ」

彼がやたら落ち着いた声で言うため、逆に緊張が伝わってきた。
一方でナザルは「絶対平気」と断言したので、あなたは二人のことを信じようとした。

不安になることは簡単なのに、信じて待つのは難しいことだ。
大切な人なら、尚更だった。

するとナザルは突然、しびれを切らしたように大声を出した。

「おい! 今どこにいんだ!」

彼が問うと、しばらくして遠くから声が反響してきた。

「……待て、今戻る! ここは片付いた! ――奥に続く道があるようだ!」

あなたはその声を聞き、全身から力が抜けていった。

よかった。生きてた。

放心していると、セロ達もほっとして胸を撫で下ろしていた。

やがて曲がり角から、いきなり全身真っ赤な男が現れる。

「あああぁぁッ」
「げッ何だお前それきったねえな!」
「すまん。奥から二匹新たに出てきたんだ」

向かってきたルドガーは、あなたが涙ぐんでるのを見つけた。

「悪かった、集中しすぎてしまって。あぁ泣くな、もう大丈夫だぞ。――おっとすまん、汚れるな」
「大丈夫だよ!」

あなたは血だらけの彼に抱きついた。
今は任務中だから涙をこらえる。
皆それぞれのことをしていた。
だから今は冷静でいることが自分にできることだと思った。

「怪我はない?」
「ないぞ。だが⋯⋯これを見ろ」

ルドガーは破れた袖から、腕を見せた。三人がのぞきこむと、噛み跡がいくつもある。
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