第20章 任務編
まるで誘導するような狭い道のときは、先頭をナザルが行き、セロ、あなたが続いた。ルドガーは後ろを守り、全体に目を光らせている。
この入り組んだ遺跡の奥には、宝物庫のようなものがあると考えられていた。
ほかの廃墟群もそういった構造だったからだ。
「なんかこう、宝物とか魔導書があったらいいんだけどなー」
「セロ。お前パクるつもりだろ」
「あたりめーだろ。堂々とこんな遺跡入れるチャンスあるかよ」
前にいる二人の会話に、倫理観のあるあなたは耳を疑う。
「ちょっと、何恐ろしいこと言ってるんですか? 冗談ですよね。私達一緒に特訓してきたチームじゃないですか!」
「だから皆で山分けして懐にいれようぜ。へっへっへ」
悪い主人に対し、ナザルも反対せずあっけらかんとしている。
「嘘でしょ、やばいよこの人達、こんな本性だったんだ、ねえルドガー!」
「俺は知ってたけどな。⋯⋯待て、止まれ。」
急に彼に肩を引かれ、胸板に密着する。声をださないよう、そっと口を大きな手で塞がれてドキリとした。
さっきまでふざけていたナザルとセロも、じっと立ち止まり耳を澄ませている。
――まさか、魔物が出たのだろうか。
あなたの震えに気づいているルドガーは、前の男二人にこう言う。
「デカいのが一匹いる。四つ足だ。俺が仕留めよう。ナザル、ここで二人を守れ。セロは防御魔法を張れ」
「おう、わかった」
二人は当然のように頷き、その狭い石壁の道で守りの体勢に入った。
装備していた二つの長剣を抜き出し、ルドガーが前へ行こうとする。
「ルドガーっ⋯⋯」
「すぐに終わるからな。安心しろ、あのときの任務と同じだ」
彼はあなたに向かってふっと笑った。
そして分厚い体を好戦的なオーラに切り替え、走り出していった。
あのときの任務とは、ゼイランがあなたの見舞いに訪れた夜、ルドガーを召喚した時のことだ。
確かに彼は無事だったが、血まみれだった。
「⋯⋯っ」
あなたは途端に恐れがわき、手をぎゅっと握り合わせる。
セロはその場に防御結界のドームを張り、ナザルは辺りを警戒しながら構えている。
すると物音が轟いた。大きな物体が打ち付けられたり、壁が壊れたり、物を引きずるような音だ。