第2章 訪問客編
「⋯⋯偉そうに腹を立ててはいるが、俺も同じだ。⋯⋯お前を閉じ込めて好きにしている。お前を気に入ったから、離れさせなくしているんだ」
食卓に両手をついてうなだれ、彼はそう認めた。
あなたはあまりに感情にあふれた彼の告白に、居ても立ってもいられなくなる。
立ち上がり、そばへ駆け寄った。
「今は違うよ。自分でここにいるんだから。さっきだってそう。安全な檻に自分で入ってルドガーを待ってたんだよ」
横から分厚い体躯を抱きしめると、彼の反応は一瞬遅れたが、広い腕ですくって抱擁を返される。
彼は大きく身を屈め、あなたの唇にゆっくりとキスをした。
そんなはかなげで相手を思いやる口づけは、初めてかもしれない。
「んっ⋯⋯」
「⋯⋯俺を待っててくれたのか。ありがとうな。⋯⋯だが、いつも一人にして悪かった」
「⋯⋯しょ、しょうがないよ、仕事なんだし」
何度かしっとり唇を重ねられる。
この甘い雰囲気はなんだろうと焦ったけれど、彼の柔らかい感情に触れているようで、心地よさは広がっていった。
しかし、ルドガーはまだ引っかかることがあったようだ。
あなたと共に暖炉前に腰を下ろし、話し始めてくれたのだが。
「セヴァと話したのか」
「うん。紳士的でいい人だよね。どんな関係なの? 仕事の同僚?」
「⋯⋯そうだ。軍の規律を俺に叩き込んでくれた。新人の頃から世話になった隊長だ。俺に命じるのは主だけだから、直属の上官ではないけどな」
あなたは納得しながら話に聞き入る。
最初は傍若無人な大男だと思っていたのに、実は主に忠誠を誓う軍人だったのだから、新鮮な驚きに包まれる。
隊長が言ったように、ルドガーにはきっと特別な能力があり、主の命にそった単独の行動も多いのだろう。
「お前はよくあいつを褒めるな。セヴァに惚れたのか?」
「⋯⋯えっ?」
突如見当違いなことを言われてあなたは目を剥く。
しかしルドガーは真剣さを崩さなかった。