第19章 特訓編
そうした訓練の日々が続き、休憩のときは四人で集まり水を飲んだりした。
「ふう、ほんとにいいチームになりましたよね。私達! これからも一緒に訓練しましょうよ!」
「いや無理。任務終わったらすぐ解散な」
「えぇ〜っ冷たいですよセロさん! 続けましょうってばぁ、ただでさえ魔術師は運動不足なんですよ!」
「うっせぇ! 魔力回復には睡眠も大事なんだよ! お前女格闘家にでもなるつもりかっ!?」
厳しく突っ込まれるが格上の魔術師セロの言い分は正しい。あなたも休息をとりつつ魔術と訓練に向き合おうと心に刻んだ。
そんなときだ。
周りには、見学の騎士達が増えていた。
すると若い騎士二人が、ルドガーとナザルのそばへやって来た。緊張の面持ちだが、何か伝えたいことがあるようだ。
「あの、すみません! もし今度お時間がありましたら、自分達にもルドガーさんとナザルさんの、剣技と組手をご指導いただけませんでしょうか⋯⋯!?」
ルドガーは表情を変えなかったが、ナザルは初めてのことに驚いた。
二人の獣は顔を見合わせる。
「今は自分達の訓練で忙しいが、勤務時間内なら見てやる。団長と隊長の許可は取っておけ」
「は、はい! ありがとうございます!」
騎士達は喜び、ナザルにも好奇心をたたえた瞳で見上げた。
獣の彼がそんなふうな眼差しで見られたのは、初めてだった。
「おう、まあいいよ。暇そうな時声かけてくれれば」
赤髪をかいて答えると、騎士達は顔を明るくし、頭を下げてお礼を言った。
あなたは感動的な状況に出くわし、二人を交互に見つめる。
「すごいすごいっ、騎士さんたちも二人の凄さに感動したんだろうなぁ〜っ。ねえセロさん!」
「ああ⋯そうなの? 暑苦しいやつらだな⋯⋯もう今日はいいだろ、。アイス食べに行こうぜ。おい、お前らも来いよ!」
なぜかリーダーのように年上のセロが獣二人を呼び、皆素直についていく。
もうすぐ四人は任務に巻き込まれていくが、今は不思議と怖いものもないような気がしていた。