第19章 特訓編
そして同じ任務合格を目指す三人プラス一人は、まるで青春のようにいい汗を流す。
あなたが散々練習した、高低差のある台を素早く飛び移ったりしていると、汗だくで息を切らすセロが恨めしく見てきた。
「お前、運動神経悪くないんだな。ずりいよ、いくつだよ⋯」
「18です! セロさんも思ったより悪くないですよ、あ、見てくださいよ私のナイフさばき!」
型を特訓したあなたは、彼に披露する。すると「ヤメロあぶねぇッ」と引かれてしまった。
「、鞘無しでやってみろ。俺に向かって」
「⋯⋯えぇっ! それはさすがに無理だよ!」
「大丈夫だ。本気で来い。万が一はセロが治療してくれる」
そんな風に言われて、ちょっと前のあなたなら全力で拒否してただろう。
でも今は、ルドガーの強さを前よりは身をもって知っていた。
ビギナーのあなたが彼に刃を立てられるわけがないことも。だから本気で向かっていった。
「やあああぁっ!」
番に向かって何を刺客のようにおそいかかってるのかと思ったが、三度的確に振り回してもルドガーは容易に避けた。
何度か繰り返し息を切らすと、彼はあなたの手首をきゅっと掴み、ナイフをそっと奪った。
「はあぁーっ。やっぱり無理だ。でも嬉しい!」
「あぁ、一番いい動きだったぞ。もし魔物が向かってきたら、迷わず急所を刺せ。俺より強い相手はいないからな」
「はい先生!」
すっかり息のあったチームになった二人を、もう一組も組手をしながら見ている。
ナザルは「は〜」とため息を吐いた。
セロは床に両手をつき、バテながら講師を見上げる。
「はぁ、はぁっ、おい、まさか俺にもあれやれとか言うなよ」
「言わねーよ。お前自分の足にナイフぶっさすんじゃねえか」
「確かに⋯」
でも珍しく獣に付き合っている主に、ナザルは手を差し出して引っ張り起こした。
「あー俺も相手が可愛い女ならテンション上がるだろうなぁ」
「そりゃそうだろ、俺だって上がるわ。⋯⋯あいつら上達しつつイチャつきやがって⋯! くそっ、ピチピチの18に負けてたまるかよ! おらナザル、続けんぞ!」
死に物狂いの顔で構えを取るセロに、ナザルは少し呆気に取られていたが、すぐに向き直って頷いた。
そんなナザルの顔つきは、前とは見違えるように生き生きしていた。