第19章 特訓編
ルドガーは他にも、組手や蹴り、寝技などの格闘から、剣技までなんでもこなせるらしい。
軍では様々な戦闘法を学んだのだそうだ。
「お前も武器をもったほうがいいな」
「そうなの? でも確かに、必要だよね」
休憩中そんな話をして、きっと怖がるだろうと思ったあなたに、彼は驚いた様子だった。
何が良さそうか聞いたら、「短剣だな」と即答されて納得をする。
自分がそれを振り回すのを恐れるよりも、強くなりたい気持ちのほうが強かった。
あなたとルドガーの二人きりの訓練は続いた。
彼は短剣をあなたにくれて、鞘付きのまま一通りの振り方や体の動きを教わった。
「うん、いいぞ、なかなか筋がある」
「ありがとうございます!」
シュッ、シュッと音を出して片手や両手での突き方を学び、なんだか爽快な気分にさえなった。
体が動かなかった時期から回復したあと、運動がもっと好きになったが、激しめの動作も自分に合ってるのかもしれない。
でも困ったのは、彼が急所をねらえと教え始めたことだ。
魔物のダミーの的を持ち出し、それは問題なかったものの、ルドガー自身の体を的にしろと言ってくる。
「ええ〜やだってばぁ」
「いいからやれ、これは練習だし、そもそも俺は短剣に何回か刺されたぐらいじゃ死なない」
断言されてあなたは訝しむも、彼の分厚い屈強な体躯が目の前にあると、信じられないこともない。
そこで襲いかかってくるルドガーに対し、あなたは教えられた通り、太ももや腰、胸などを鞘付きの短剣で刺すふりをした。