第19章 特訓編
「俺も最初から強かったわけではない。3歳で軍に入る前は――」
「3才!?」
「そうだ。それまではゼイラン様に特訓を受けた。屋敷や森や、色んな場所でな」
彼は考え込んだあと、あなたの体を自分に向かせる。瞳は真剣そのものだ。
「。お前の訓練を、俺が手伝おうか?」
「え? ルドガーが?」
「ああ。魔術はお前がやっている通りでいいと思う。他に、身体的な訓練だ。動きがもっとよくなるだろう」
あなたは恐れるどころか、すぐに正座をして、前のめりで頷いた。
「本当? あなたに教えてもらえるなら、すごい心強いよ! ありがとう!」
すると彼は少しせつなげに笑う。
「悪いが、厳しくはしないぞ。大切なお前にそんなことは出来ない。だが俺が教えることは、きっと役には立つはずだ」
あなたは彼にとてつもなく感謝をして、覚悟を決めた。
翌日から、帰宅後のルドガーと夜の訓練が始まった。
静まり返った騎士団の訓練場で、あなたがまず思ったことはこれだ。
――厳しくしないって、言ったのに。
「、そうだ、俺の拳の流れをよく見ろ、いいぞ、左右に避けろ!」
「は⋯はい先生!」
彼にしてはかなりスローに打ち込まれる空中の打撃に、あなたは必死についていく。
そもそも体格差がありすぎるが、実際に魔界の魔物に襲われるとしたら、これがリアルな迫力なのである。
その体感と反射神経を鍛える面でも、かなり役立つ練習だった。
「はぁーっ。休憩休憩、あなたの体力すごすぎだよ」
「ははっ。悪い、お前の身のこなしが意外と良くてな、驚いた」
「本当っ?」
彼に褒められると、もっとやる気が出てしまうのが困りものだ。
抱きつきたくなったが、先生と生徒だと思い我慢した。