第18章 選んだ道
ルドガーはあなたの手に、自分の手を伸ばした。寂しさも深い愛情も、すべてが混ざり合った眼差しで。
彼の大きな手に握られて、あなたは心が落ち着く。この手の温もりのためなら、なんだってできるし、してみせると思った。
そんなやる気が、小さな体から溢れ出そうになっていく。
ルドガーは肩を落としうなだれる。
その時間は長かった。
だが、やがて彼は決心したように頭を上げた。
「わかった⋯⋯お前の気持ちを、俺も支える⋯⋯応援するぞ、。だが⋯⋯俺もその任務に同行する!」
「ええぇっルドガーっ!?」
「いいだろう団長。許可しろ。しなければ俺は全ての任務を放棄するぞ」
滅茶苦茶なことを言い出して皆は混乱した。
だがそのぐらい、ルドガーにとってあなたという存在は、第一に優先されるのが当然なのだ。
キリングはじっと彼を見つめたが、意外なことを言った。
「許可も何も、それが今回の条件だ。お前は彼女の護衛をしろ。ゼイラン様の許可も下りている」
「なっ⋯⋯それを早く言えッ!」
「最初に全部説明して、お前は納得したか、獣。⋯⋯それにな、俺達は彼女自身から、気持ちを聞きたかった。なぜ魔術に関わりたいのかをな」
キリングはそう話し、ミザロと視線を合わせる。
あなたはまだ興奮が冷めやらず胸が上下していたが、ルドガーと顔を見合わせ、ようやくほっと脱力してきた。
「⋯⋯ルドガー、一緒に任務に行けるんだね」
「ああ、そうだ! 俺がいるから絶対に大丈夫だぞ、お前の初任務はうまくいく、何も心配することはない!」
さっきまで嫌だと言っていたのに、彼のこんな純粋なところが、あなたの張っていた心をいつもほぐし、笑みを引き出してくれる。
「ありがとう。頑張ろうね。⋯⋯セロさんとナザルさんもよろしくお願いします!」
目尻に涙を浮かべながら微笑むと、2人は温かい眼差しで手を上げてくれた。
こうして獣と人間、二組の奇妙な組み合わせは、初めて同じ任務へ挑むことになる。