第18章 選んだ道
「ど、どうしよ〜。そんな大事なこと、今言われちゃっても。ねえルドガー」
へへ、と照れ笑いしたあなたの隣で、ルドガーは背を丸めてうつむき、背中から黒いオーラを放っている。
同席しているセロもナザルも、なんとなく彼の反応は分かっているため、神妙な顔つきで静観していた。
「の進路を勝手に決めるな。どういうことだ、キリング⋯⋯」
ぎりり、と奥歯を噛み、さっきまでの朗らかな空気が一転して、ルドガーは団長を睨みつけた。
「これがお前の言った条件か。俺を騙したのか⋯⋯ッ」
「最後まで話を聞け。これはお前の風呂場の建設許可への条件ではない」
これ以上何があるのかと、ルドガーの怒りは収まらない。
けれどあなたは心配する彼の気持ちがわかるため、冷静に二人の幹部に尋ねた。
「あのう、師匠なら私が魔術を勉強したいってこと知ってますよね」
「ええ、もちろん。あなたは私のもとで学ぶことを選びますよね?」
「はい⋯⋯そう出来るならお願いしたいです」
ルドガーをちらりと見ると、彼は眉間をよせ、「行くな」という顔つきをしている。
心は揺れ、きっと騎士団で働かせてもらったほうが気持ち的にも軽い気はする。
そもそも魔術師団に、力がない自分なんかが入れるのかも分からない。
それでも、せっかく誘ってもらったチャンスを棒に振るなんてことは出来なかった。
あなたには心に秘めた願いがあるのだ。
「ルドガー、ごめんね。私、魔術の勉強もっとしてみたい。まだまだ役に立たないことも分かってる。でも、いつか助けてくれた人にも恩返ししたいし、なによりあなたの隣にいて胸張れるような人間になりたいの⋯!」
ルドガーは、金色の瞳を揺り動かし、いつもはびくともしない精神が、まるで崩れ落ちていくような面持ちを見せた。