第18章 選んだ道
「お前なんかな、俺がいなきゃ魔界で生きてなんかいけねえよ! 腐れ縁で今までいてやっただけだ、この先は分かんねえけどな! その平凡でちっちぇえ頭に叩き込んどけ!!」
そう言い放ったとき、その場はしんとなった。
あなたがゆっくりセロを見やると、彼の形相は見たこともないほど怒りに満ち叫びそうな感じだった。
まずい。二人の仲に亀裂が――。
するとルドガーが立ち上がり、セロの襟首を後ろから掴む。彼は上に持ち上げられ、「ぐるじぃっ」と服を引いてじたばたした。
「おい。ならば、お前の主が死んでもいいのか?」
「⋯⋯あぁ? そんなんで死ぬか。ばかばかしい」
「タスげてッ、まじで死ぬッ、ナザル゛ッ」
セロのうめく声が響き渡り、あなたは究極的に迷ったがルドガーの暴挙を邪魔しなかった。
ナザルはルドガーを鋭く睨みつける。
そこにはいつもの飄々とした眼差しはなく、苛立ちや憎しみすら混ざって見えた。
ナザルは立ち上がり、セロの上半身を無理やり掴んでひきはがした。
セロは深呼吸をし、首をさすって命拾いをした。
「はあ、はあ、獣を信じた俺が馬鹿だった。サンキューなナザル」
「ばっかじゃねえのお前。もう付き合ってられねえよ」
「⋯なんだとてめぇ! つうかなんで俺がお礼言ってんだよ! もうやだ獣と付き合うの、つうか、お前が率先して止めろや!」
「あっすみません」
結果にはなで下ろしたが、ルドガーをちらっと見ると彼はまだナザルの様子をじっとうかがっている。
微妙な空気の中、ドアがタイミングよく開いてくれた。
外から入ってきたのは、金髪長身の騎士団長だけでなく、後ろには魔術師長ミザロの姿もある。
「なんの騒ぎだ? お前らは静かに待つことも出来ないのか」
その重い一言だけで、彼は皆を黙らせた。
すぐにまた違った緊張感を走らせるのは、さすが団長キリングだった。