第18章 選んだ道
しかし、やはりセロはセロである。
上機嫌なお喋りがとまらない。
「おい見たかナザル。やっぱ俺って才能の塊なんだわ。だからな、お前も俺と一緒に銭湯やらねえか? 今ならすげえ流行る気がする」
「やるわけねえだろ面倒くせえ。⋯あっ、女限定ならいいけどな」
「あのな、限定なんて最初から客を減らすようなもんだ。商売ってのは全員に満遍なく受けてこそ――」
彼の長話と講釈が始まり、ナザルの大きく開いた足の貧乏ゆすりの音が、だんだんこちらまで聞こえてきた。
「そろそろ黙れ。毎回毎回、生活系魔術師のお前の詭弁に付き合ってる暇はねえんだよ。いいから魔術師団で功績をあげろ。使役獣の俺にみじめな暮らしさせんじゃねえ」
低い声で吐き捨てるような物言いが、血気盛んなセロの癪に障った。
彼は立ち上がって彼に詰め寄る。
「⋯⋯はっ? なんだ生活系魔術師って。お前俺を馬鹿にしてんのかっ? この世界はなぁ、生活系の方々に支えられてんだぞ! つうかお前のそのド派手な服、いつも誰が買ってやってると思ってんだよ! 調子のんじゃねえぞ獣のぶんざいでッ」
「ちょ、ちょっとセロさん、落ち着いてくださいよ!」
なんかやばそうな雰囲気だとあなたが止めに入ろうとするも、二人の濃い間には入り込めない。
「ハッ、お前の稼ぎはほとんど俺のおかげだろうが、セロ!」
「違います〜、俺が何個副業やってると思ってんだよ!」
「そんなのやってるから本業がくすぶってんだろ全部やめちまえ!」
鬱憤のたまったナザルがついに立ち上がり、トドメを刺した。