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巨体の人外に助けられて世話される話

第2章 訪問客編


「なんだこれは、クソッ!」

ガシャガシャと檻を力で壊そうとしたのを見て、あなたは慌てて鍵を開ける。
そして外へ出てすぐ、ルドガーの腰に抱きついた。

「よかった、無事だったんだね⋯⋯!」
「⋯⋯! それは俺の台詞だ!」

心痛の面持ちで力強く抱きしめられる。
なぜだか一番の安心に包まれた。あなたは心から彼の帰還が嬉しかった。

「ああ、悪かった。なぜお前をこんなことに⋯!」

彼が悔やむ顔つきで吐き出す。ここまで激情を露わにした姿は初めてのことだ。

「私は大丈夫だよ、心配しないで。あの人達が来たから、虎獣人の人がここにいたら安全だって教えてくれたんだ」

そう伝えるものの、ルドガーは反感を隠せない険しい表情であなたを見つめる。

「ねえ。今日何があったの? 重要な任務だって聞いたけど⋯⋯」
「今日はゼイラン様が指揮する軍から、魔物の討伐命令が出ていた。だから俺も参加していたんだ」
「えっ? そうなんだ⋯⋯大丈夫だったの、そんな大変そうなこと」

あなたは驚いて彼の身体に触れ、怪我がないか確かめる。
だが褐色肌には傷ひとつ見当たらず、むしろ石鹸のいい香りまで漂ってきた。

「お風呂入ったの? ルドガー」
「⋯⋯ああ、湯を浴びた。任務のあとで、屋敷の夕食会があったからな」

話によると、主のゼイランや軍関係者も集まる公式の場だったようだ。
正直、彼は野性的な獣のイメージに固められていたため想像しづらかった。

けれどきちんと自分の社会的立場をもった男性だったのだ。

「どうして仕事のこと、言ってくれなかったの。ぺらぺら喋れなさそうなのは分かるけど。あなたって軍人だったんだね。制服も⋯⋯似合ってるね。いつもと違う」
「そうか⋯⋯。お前に言いたくはなかった。誇れることではない」

なんだか陰りのある言い方をされたが、ルドガーはあなたの頬を大きな手で撫でてきて、もどかしそうだ。

「お前はちゃんと食べたか?」
「うん。昼も夜も食べたよ」

そう答えると、彼はほっとした様子だった。
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