第2章 訪問客編
宴会が始まってから三時間ほどが経った。
もう夜も更けて、男達の騒がしい声もピークだ。
ときおり目が覚めたあなたは起き上がり、毛布を抱きしめてぼうっとする。
「ルドガー、大丈夫かな。危険な目に合ってるのかな」
心配が募り、落ち着かなくなってきた。
立ち上がりうろうろしていると、急に上の階が騒がしくなった。
男達の激しい口論が聞こえる。
耳を澄ますと、ルドガーらしき男の怒鳴り声が聞こえてきた。
もしかして、帰ってきた?
あなたは檻に手をかけて、彼の名前を叫ぶ。
助けてほしいというよりも、早く無事な姿を見たかった。
するとバタン!と地下室への扉が乱暴に放たれる音がした。
「おい、待てルドガー! 落ち着け!」
「落ち着けるか! お前らは早く帰れ!」
「ああ、わかったよ。だが、彼女は無事だし、俺達は任務の成功を祝いたかっただけなんだ――」
「分かってるさ、だが今は礼を言う気分じゃない! 話は今度にしてくれ!」
ルドガーは大きな足音で階段を駆け下りてきて、あの虎獣人セヴァを振り切ったあと姿を現した。
彼は想像とは違い、血みどろでもなく、綺麗な制服を着ていた。セヴァと似たような、灰色の詰襟軍装にシャツ、ズボン姿だ。
朝と違う服装に驚いたが、檻に入ったあなたの姿を見て、最も瞳を揺らしたのは彼のほうだった。