第1章 出会い編
「どうだった⋯⋯? これでいいか⋯?」
けれどルドガーがあまりに満足げに、優しい顔で尋ねてきたため、あなたはなにも反論できなかった。
「うん⋯⋯良いよ⋯⋯」
もうそれしか言えず、そしてその答えにも、そんなに不満はなかった。
自分勝手な彼ではあるけれど、自分との交尾をそんなにも待ちわびて欲しているということが、全身に伝わってきたのだ。
行為を終え、ベッドに横たわる彼の胸に、らしくもなくあなたは手を置いて寄り添っている。
別に完全に迎合したわけではないが、このぐらいいいだろうと思ってやっていた。
「ねえねえ。もう満足した?」
「三割ぐらいはな」
「それだけ!? 二回したのに! 二回目は横向きでもしたよ、あんなに出したじゃんっ」
あなたが訴えると、彼はななめ下を見てきて仏頂面になる。
「俺は獣だぞ。二回で満足出来るか。だが今回は我慢する。お前が大事だからな」
偉そうなのか親身なのかわからないことを言いながら、ルドガーはあなたを上に抱き寄せてきて唇を重ねた。
やたらとキスされるのは気になったが、あなたは無意識に赤くなり静かにもなる。
「それとあまり行為の内容を口にするな。オスを興奮させるのはお前なんだ」
「⋯⋯わ、わかったよ。ごめんね」
素直に反省し、彼は人間じゃなくて獣なのだともう一度頭に叩き込む。
ルドガーはあなたの頭を大きな手で撫でてきて、突然こんなことを言い始めた。
「。もうすぐ重要な仕事があってな。俺は一日外に出なければならない。だからその日は、家の中で留守番しているんだぞ。絶対に外に出るな」
「⋯⋯えっ? そうなの? うん⋯⋯。でも、どんな仕事?」
尋ねたが、彼は答えなかった。きっと血なまぐさい内容なのかもしれない。
狩猟の類なのかな。以前話してた主人であるゼイラン様の命令なのだろうか。
考えたあなたは彼のことが心配になる。彼は強いし、お医者さんやその家族にも強さが轟くぐらいだから、大丈夫なのかもしれないが。
前よりも気になり心細くなるのは、きっと肌を合わせて触れ合ったばかりだからだと、自分を納得させようとした。