第1章 出会い編
犯されるかもしれない、そう血の気が引いたあなただが、男の手は優しく尻の間にも液体を塗っただけで、すんなりと終わった。
「はぁ、はぁ」
あなたはまた裏返されて、赤い目元で男を見つめる。
体の調子は不思議と改善していった。
もしかして、本当に薬効のある塗布剤なのだろうか?
「⋯⋯ありがとう。少し休みたい」
人間の言葉を伝えてみるも、男は表情を変えずあなたにまた近寄る。
鼻を近づけて匂いを嗅がれているようだ。
「んん⋯⋯っ」
男からは、野性的な獣臭がした。けっして嫌なものではないが、くらっとするような危険な香りを放っている。
顔と顔が間近にあって、何かを感じ取られているようで、あなたは目を伏せようとする。
しかし男はとんでもないことをし始めた。
男の服装は人間らしい。外では革服を着ていたが、今は胸元がパツパツの白いシャツに、太ももが張った濃色のトラウザーを履いている。
だがなんと、あなたの前で下のボタンを外し始めたのだ。
「な、なにしてるのっ?」
下着をずらし現れたのは上向きに反り立った巨大なペニスである。
血管の浮いた毒々しいそれに、男というものの記憶のないあなたは卒倒しそうになる。
「やだ、絶対いや! そんなことしないで!」
何もされてないが、動けるようになったあなたはシーツを体に巻きつけて全力で拒否した。
しかし男は口を開いた。
「いいから飲め。お前の食事だ」
――喋れるの!?
先にそう思ったあなただったが、理解不能なことを言われて泣きそうになる。