第12章 赤兎編
後日、実際にセロに散歩の許可が下り、あなた達は外にいた。
もちろん騎士団の敷地内だけだが、緑豊かな自然に触れあえるし、きっと彼も気分転換になるだろう。
「ん〜今日もいい天気。セロさん、ここ走ると気持ちいいんですよ」
「あ、俺運動無理。研究肌の魔術師だから」
普通捕虜ならば体を動かしたいはずなのに、彼は歩いて空気を吸うだけで満足げだった。
あなたはセロと並び歩き、後ろから護衛のようにルドガーがついてくる。
「そういえば私、見習いから新米魔術師に進級したんです。すごくないですか?」
「へーすげえじゃん。じゃあ俺のおかげだな。なんかボーナスくれよ」
彼が立ち止まり、しゃがんで花壇をいじりながら軽口をたたく。
「お前のおかげじゃない。の実力だ」
「はいはい。でもさ、お前魔術師嫌いなんだろ? 彼女が俺らみたいになって本当にいいのかねえ。変なやつ」
魔術師特有のねっとりした笑みで指摘すると、ルドガーはあからさまに嫌な顔をした。
「はお前らみたいには絶対にならない。優しくていい女だ」
「はは、確かにな。俺を散歩させるために上にかけあってくれて、うまいメシも食わせてくれる。優しい女なのは間違いないな。……ただ、そういう魔術師は普通、いねえけどな。お前、感謝しとけよ。お前みたいなやばそうな獣の相手してくれる女も、そういねえぞ」
「ふっ。それは俺だって理解している。だからこそ俺は番としてを愛し抜くんだ。それを邪魔する奴は、誰であろうと粉砕してやる」
「だから最後にぶっそうな台詞つけんじゃねえっつうの」
またセロを引かせてしまったが、ルドガーは自信満々で誇らしげだ。
あなたは普通に話す二人を見て、微笑みを浮かべている。
こうしてみると、もうすっかり友達のようだと。
このままセロも仲間になってくれたら、きっと楽しい日々になる。
そんな風に前向きに考えてしまっていた。