第11章 尋問編
「あなたこそすごいですよ、信じられません、同じ経験をした人がいるなんて。どうやって克服したんですか? つらいに決まってますよね」
「そうだよなー。まあ俺にも一応世話してくれたやついたからさ…」
彼はあまり話したくない様子で斜めを見た。
ルドガーは二人とは違う、少しだけ尖った耳をぴくりと動かす。
「お前の相棒か? そいつに世話されたか。それなのに今、見捨てられたのか」
「……うるせえ! そんなんじゃねえよ! 相棒とかじゃねえし!」
セロはむきになって言い張り、腹を立てる。
図星を突かれたことよりも、今の状況を思い出して苛立ちを浮かべている様子だ。
「だ、大丈夫ですよ、もうすぐ来てくれますって。気長に待ちましょうよ」
「……あんたそれどういう立場で言ってんだ? ……ここに来るわけねえだろ。敵の巣窟だぞ。それにな、のほほんと暮らしているが、この騎士団はマジでやばいんだぜ。第一部隊長は冷酷な殺人マシーンとして恐れられてるし、魔術師団も魔界で随一と言われるほどの手練れ揃いだ。そして最近では、見たものすべてを血祭りにあげる召喚獣の殺りく兵器を投入したと言われててな――」
「それは俺のことだ」
「お前かよッ! こええから俺のこと見ないでくれる!? 俺まだお前になんもしてないよね? 頼むから記憶から消して!」
騒がしいセロはひときしりルドガーに突っ込んだあと、疲れた様子であなたを見やった。
「はあ。……もう俺にはあんたしか命綱がないのかもしんねえな……なあ頼む。ここでしばらく俺をかくまってくれ」
「……はい? どういう意味ですか? ここにいたいなら私も大歓迎ですけど」
「ほんとかっ? よっしゃぁ! じゃあ頼むわ。ここのほうが俺のんびり暮らせそうなんだ。ババアの目もないし。できれば散歩の権利も欲しいけどなぁ」
ちらちらあなたを見つめてくるので、「相談してみますね」と言ったら彼は喜んでいた。
一方のルドガーは難色を示す。