第11章 尋問編
テーブルクロスを広げた上に、色とりどりの食材を使った料理が並んだ。
ここは窓もない閉鎖的な空間だが、まるでピクニックのようだ。
「はいどうぞ、お酒は出せないですがそれふうのカクテルもありますよ」
「悪いね~。ああ最高! うまいメシ三食と昼寝つき、俺、今魔界に来て一番いい生活してるわ」
はっはっはっと上機嫌に笑いながら、上下灰色の捕虜服を着た魔術師は、完全にくつろいでいる。
「そんなに普段大変なんですか? セロさんって」
「まあな。あのババアに馬車馬のごとく働かされてるからな、俺の自由なんてないんだよ」
彼は舌打ちまじりに明かす。
ババアというのは守護者のことで、正直彼と話を始めてから、あなたの守護者に対するイメージはどんどん落ちている。
だが顔には出さずに、いつも穏やかに話を聞いていた。
「そんなに毎日一生懸命働いて、セロさん偉いですよ。借金って結構減りました?」
「ぜんっぜん。ババアが言うには、俺の師匠が出した損害は一生働いても取り返せない分らしくてさ。……まああいつは嫌な野郎だけど、言ってることは正しいんだ。俺の師匠、人間なんだけどな、めちゃくちゃ破天荒な男でな。今も行方不明だし、俺が人間界で捕まって代わりに保証人やらされてんだ」
「……えっ……」
あなたは思わずルドガーを見やるが、彼はまるで興味なさそうに弁当を食べていた。
そんな過酷な人生をこの青年が歩んでいるとは、想像もしていなかった。
「セロさん、偉すぎですよ。自分のせいじゃないのに。逃げられないんですか」
「無理だね。あんた、あいつの恐ろしさ知らないだろ。捕まったら終わりだよ」
親指を立てた手で首をかっきる動作をされ、縮み上がりそうになる。
自分には「見守る」とか「加護を与える」などと言っていたが、果たして本当にそんな人物なのだろうか。