第11章 尋問編
「待ってください、何するんですか」
「彼の名前や背景、仲間のこと、そして守護者の情報を引き出すんです。ふふふ……少し強制的にはなりますが、話さないというなら仕方ありません」
彼の深く青い瞳は、明らかに愉悦を浮かべている。それを最初から待っていたようだった。
「だ、だめです。やめましょう」
「何故反対するんですか、さん。……あなたは我々の側ですよね?」
師の顔つきは脅すようなものではなく、わざとらしく困惑している様子だ。
「もちろんそうですよ、でも……精神に影響が出てしまうんですよね? 彼はただの使いパシリなんですし、そこまでやることは――」
「けれど。俺達の騎士に直接手を出されているんだ。事件解明のためには必要なことだよ」
「たっ……確かにそれはそうです…よね」
ターシャを思うと、情は必要ない。
それは理解できる。
隊長ジュリスも、敵には容赦しないらしい。そもそも尋問部屋とはそういう所だし、彼らのやり方としては至極真っ当なのである。
「でも、……でも……」
正直、この魔術師がどうこうというよりも、調べたら守護者のことがわかってしまうかもしれない。
彼女の名前のことも。
あの自分だけに明かした情報が、万が一晒されたら。
それに「記憶を読むな」と言われた言葉が引っかかる。
どうして会ったこともない守護者の言うことを、ここまで信じているのか、自分でもよく分からなかった。
「記憶は読むな。今はこいつを捕らえていろ。が心を開かせる」
「……えっ? ルドガー……」
「それでいいんだ。だろう? 」
ルドガーはあなたの隣に立って、しっかりと肩を支えた。そうして彼のまっすぐな金の瞳に覗き込まれ、じわっと目が霞んでくる。
こんな状況で、自分を信じてくれている、そう感じた。