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巨体の人外に助けられて世話される話

第10章 事件編


「お前、今何をしていた」
「……はっ? なんなんですかあんた、何って、接客ですよ」
「嘘をつけ、お前魔術師だろう、詠唱をしていたな?」
「なっ、意味不明なこと言わないでくれるか? 俺はただポイントカードの説明してただけだぞ!」

言い合いになる二人を前に、もしや勘違いかと思ったが、あなたは静かになったターシャを唖然と見やる。

「ルドガー、彼の目が虚ろになってる! この人だよ!」
「…くっ、やはりか!」

催眠をかけられた者の表情が、もうあなたには判別できていた。そして同時に、後ろからジュリスの大きな声が響いた。

「おい、裏で店員が気を失っている! ルドガー、そいつを捕らえろ!」

彼が抱えていたのは、同じエプロン姿の男性店員だ。

なりすましていたニット帽の男は、途端に真っ青になり、くるりと背を向けて素早く逃げ出そうとした。

「ジュリス、を見ていろ!」
「ああ!」

ルドガーは店から出ていこうとする偽店員を追いかけ、あっという間に捕まえた。
店先で彼の上半身を背後から持ち上げてそのまま羽交い締めにする。

「ぁ゛っ、あぁッ、まて、ストップ、ストップ! 死ぬッ゛!」
「黒幕はどこだッ! 吐け!」

ルドガーの腕が締まる中、魔術師はこんなことを口走った。

「早くっ、助けろ! おい、どこ行った、あの野郎ぉ……ッ!!」

もう一人の仲間のことだろうか。

ルドガーが魔術師の逃走を防ぐため、詠唱しようとする彼の口を塞ぐ。
中肉中背の体は、じたばたもがいていた。

すると本屋の入口から、堂々と黒ローブの魔術師が入ってくる。

望遠魔法で状況を確認していたミザロは、捕縛を見届けると転移してきたようだった。

彼はルドガーが捕らえた魔術師をじろりと眺め、つまらなそうな顔をした。
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