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巨体の人外に助けられて世話される話

第1章 出会い編


「ちょ、ちょっと。避妊してたんだね。よかった。――じゃなくて、それも大事なことだけど、ゼイラン様って誰? 許しってなに?」
「⋯⋯お前がまだ知る必要のないことだ」
「ううん教えてよ! 絶対必要あるってば!」

あなたが必死に腕を掴んで揺らすと、ルドガーは観念した。だがまるで守秘義務があるかのように、こう述べただけだった。

「ゼイラン様は俺の主だ。強く、恐ろしく、強大な方だ。それ以上は聞くな」

あなたは首をひゅんとすくめる。
ものすごくパワーがあり、凶暴な獣だと自称したルドガーがそんなふうに言うなんて。

畏敬すら感じる文言だ。一体どんな人物なのだろう。

「さて薬が出来たよ。もうすぐ私の孫も来るはずだ。⋯⋯ああ来た」

気配を感じ取ったらしいゲアトは、小屋の石扉を開けた。冷たい風が入り込み体を震わせると、そこにはお下げ頭の少女が荷物を持って立っていた。

彼女は転移魔法を使い、何かをあなたに届けにきてくれたようだ。
祖父のゲアトに言われ、前もって人の形になってくれてもいる。

「セア。お使いごくろう」
「いいよおじいちゃん。⋯⋯きゃあぁぁぁっ!」

しかし彼女はさっきのあなたと入れ替わったように、ルドガーを見て悲鳴を上げた。
じりじりと小屋の壁伝いに歩き、ベッドの反対側に入り込んであなたに近寄る。

ルドガーはその間も、彼女をじろっと観察したままだった。

「はい、お姉さん。頼まれた洋服使ってね。靴とか防寒着も持ってきたよ」
「え⋯っ? 私が使ってもいいの? ありがとう」
「うんっ。結婚したお姉ちゃんのものだから」

彼女はにこりと笑い、あなたの心に安堵をもたらす。
違う種族だが、家族のゲアト同様優しい人々なのだと感じた。

しかし孫娘セアは、怯えた顔でルドガーを見ているのが気になった。

「お姉さん、大丈夫⋯? 怖いことされてないの?」
「⋯⋯え。だ、大丈夫だよ。彼はやさしいよ」
「本当に⋯? あの人って、恐ろしく強い生き物なんでしょう⋯?」

どう答えればいいか分からなかった。
あなたも彼のことを詳しく知らないからだ。
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