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巨体の人外に助けられて世話される話

第1章 出会い編


「ふむ。体に異常はないが⋯⋯瘴気への耐性が弱いままだ。ルドガー、君が使った薬を持ってこい」
「わかった」

まだ大量にあった塗布剤を、医師がバケツからすくって調べている。
これは谷の崖に生えている特殊な草の粘液から作ったものらしい。

「よく作れたね。君はでかい図体のわりに器用だな。ただ配合が間違っている。私が新しく作ってあげよう」

先生は部屋の作業台に移り、残りの材料を用いて薬作りを担ってくれた。その間、懐から何か細長い石のようなものを取り出して、誰かと喋っている。

「あれは何をしているの?」
「魔石で通話をしている。家族にかけているんだろう。⋯⋯体は大丈夫か。すまなかった。俺の薬が間違っていたせいで、お前の元気がなかったんだな」

ルドガーはさっきの続きのように、しょんぼりと黒い角までしょげているように見えた。
あなたは焦って彼の肩をさする。

「違うよ! あなたは一生懸命やってくれたでしょう。ほら、少し動けるのはルドガーの薬のおかげだよ」 

最初の出会いは最悪だったが、見知らぬ土地でなんだかんだ彼に世話になっているのだ。
医者まで呼んでくれたし、ご飯まで食べさせてくれた。

「だから気にしないでね。私は大丈夫だから」
「⋯⋯。お前はいい女だ⋯⋯。俺の番になるか?」
「はっ?」

けれど彼はときどき話が通じなくなる。
あなたは問いの意味が分からず答えあぐねた。

つがいって、なに?

混乱していると、遠くにいたゲアト医師がこちらを横目で見てきた。

「ルドガー。君、そのお嬢さんと交尾したのか」
「ああ。した」
「そうか。避妊はしたか」
「している」
「それはよかった。なぜなのかは、君も分かっているよな」
「分かっているさ。ゼイラン様に許しをもらっていない」
「その通りだね。なに、心配するな。私からは言わないよ」

勝手に繰り広げられる不穏すぎる会話に、あなたは愕然とし彼らに視線を投げる。
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