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巨体の人外に助けられて世話される話

第9章 お世話編


風呂場に行くと、彼はあなたを浴槽の中に座らせた。湯を半分ほど溜めて、冷えないようにしてくれる。

「大丈夫か?」
「うん。ルドガー、先に流していいよ」
「ああ……」

彼は言葉少なく、冷水で血まみれの体を洗い流していく。戦いの後は、いつもこうしているらしい。

その間も、あなたは筋肉の張った背中を見つめていた。どうやら本当に怪我はないようだ。

だが、ルドガーは壁に手をつき、しばらく下を向いてじっとしていた。
肩はまだ揺れていて、呼吸も浅い。

「だ……大丈夫? 疲れた? もう上がろうか」
「いや……少し、待ってくれ」

心配するあなたへ、彼は静かに振り向いた。
顔色は陰り、金色の瞳の瞳孔は、縦長に細く開いている。

あなたは思わず息を呑んだ。
その瞳は、獣へ戻ろうとしているかのように、何度も反転して見えた。

「ルドガー…! こっちにおいでよ、早く!」
「えっ……? どうした、」

はっとした彼は反射的に腰を下ろし、浴槽の前に膝をついた。

心配そうに見つめる彼の頬を、撫でてあげられないのが悲しい。

「急に呼んじゃったから、ごめんね。まだ落ち着かないでしょう」
「違うぞ、俺はゼイラン様に召喚されて、ありがたく思っている。ずっとお前のことを考えていたから」

彼は瞳を優しく和らげ、あなたの髪に手を差し入れて梳いた。
空気が少しほぐれたように、浴槽の中へ入ってくる。

小柄なあなたを脚の間に包み込むようにして、彼は後ろから抱き寄せてきた。

頭を預けて黒髪が肩にすりつけられ、その仕草はどこか甘えているようだった。

「ふふ、くすぐったい。……ねえ、今日は人化して戦ってたの?」
「そうだ。大型の獣が相手の時は俺も獣化するが、この姿で戦うことも多い」

そう言いながら、ルドガーはあなたの首筋にちゅっと唇を添えた。
びくりと震わせながら会話に集中していると、彼はこんなことも言った。
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