第9章 お世話編
休暇は普通は二週間ほど取れるようだ。
開始から数日間はあなたも手足を動かせたが、だんだんときつくなってきた。
ルドガーはご飯も作ってくれるし、トイレも連れていってくれるし、一緒にお風呂も入って洗ってくれる。
小屋にいたときは、瘴気が深い場所だったからだろうか。
体はもっと脱力が強く、当初は彼との関係も微妙だったため、やってもらうのが当たり前感があった。
しかし今は、だんだん申し訳なくなってくる。
風呂上りに服を着せてもらい、居間のソファに運んでもらうと、あなたは肩を落とした。
「なんかごめん……私、すごいお荷物……」
「どうしてそんなことを言うんだ。こんな可愛い荷物があるか? だったら毎日背負って仕事に行くぞ」
「……ふふふっ、なにそれ!」
シリアスに言ったのに、彼の返しのほうがかわいらしい冗談に聞こえた。
気づけば笑っていて、自分が大きな背中に背負われて出勤する姿を想像する。
……なんだか、ルドガーなら本気でやりそうな気がした。
けれど体は明るい気持ちにお構いなしに、少しずつ動きが鈍くなっていく。
二人きりで過ごして5日が経つと、とうとう自分では立ち上がれなくなっていた。
あの塗り薬の効力を嫌でも全身に感じてくる。
「ううう……なんでぇ……」
自分で決めたことなのに、クリームさえ塗れば元通りになるかもと時々考える。
ルドガーは医師と三人で決めた時以来、薬のことは何も言わない。意志を尊重してくれているのだ。
だからこそ、諦めるわけにはいかなかった。