第9章 お世話編
ルドガーがいつもより早く帰宅した頃、あなたは全身がだるくなっていた。
何か兆候があれば、すぐに医術師のフォロのもとに行くようにと言われていたが、まさかこんなに急速に変化するとは。
「ただいま。……おい、どうした!?」
「あっおかえり~。全然大丈夫、なんか疲れただけ」
制服のまま飛んできたルドガーは、すぐにあなたの額に大きな手を当てて、首の脈も測った。
彼は意外にもパニックにならず、あなたを抱きかかえて医療室に向かう。
「熱はないし、大丈夫だぞ、すぐに先生に診てもらおう」
「うん……」
そう言って部屋から廊下へ移動した時、なんと向こうから白衣姿のフォロ医師が歩いてきた。
聴診器を首から掛け、手提げかばんを持っている。
「先生! 今行こうと思ってたんだ、の体に力が入りにくくなったみたいだ!」
「本当か? あまり動かすな。部屋のベッドに寝かせなさい」
あなたはルドガーの胸に頭を寄りかからせながら、男性二人が真剣に対応してくれる様を見ていた。
ベッドの上では医師が体を診てくれて、ルドガーがそばで瞳をそらさずに見守っている。
「うん、大丈夫だ。脱力はあるが、骨や筋肉、内臓に問題はない。ただ気力が奪われているだけだね」
「だけって、大問題だろう! ……先生、また薬を早く塗ろう、この試みは失敗だ!」
彼は大きく反応をし、医術師に詰め寄った。きっと小屋での場面を思い出しているのかもしれない。
でもあなたは首をゆっくり振る。
「ルドガー、私は大丈夫だよ。まだ始まったばかりなんだからさ。それに先生、魔力のほうはどうですか?」
「そんなことどうだっていいだろう!」
「魔力はね、実はほんの少し増えているんだよ、さん」
そう医術師が答えたときに、あなたの顔色は明らかに輝き、それに反してルドガーはさらに拳を握りしめた。