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巨体の人外に助けられて世話される話

第8章 接触


ルドガーは守護者のことについては何も言わなかった。
まだ不確定の状況で、今日は純粋に医療目的で、あなたの体を調べることを優先したのだ。

「それで、薬も持ってきてもらったね。君は今これを毎日体に塗っているんだったね?」
「はい、ルドガーにも手伝ってもらってます」

持参した瘴気から守るクリームを、医術師も見てくれたようだった。
ゲアト医師から正しい配合を教わり、自ら製作してくれているルドガーにはいつも感謝でいっぱいだ。

だが彼は、その話題に懸念を浮かべた。

「何かあるのか、先生。また間違っていたか?」
「いや、これは完璧な塗り薬だよ、ルドガー。君の頑張りもだし、ゲアト医師の素晴らしい薬液レシピだ。だがひとつ、私から提案したいことがあってね」

彼はなんと、このクリームをいったん使うのをやめてみてはどうかと言った。

「えええ! それって大丈夫なんですか? また私動けなくなっちゃうかも!」

あの体が重苦しく自由の効かない日々を思い出し、トラウマになっていたあなたは恐怖に陥る。

しかし医術経験が何百年もあるというベテラン医術師は、まったく落ち着いている様子だ。

「俺も心配だ。どうしてそんなことを言うんだ?」
「これは仮説なんだが……魔力量に変化があるかもしれない。瘴気を抑える薬は、人間にとって薬効があり必要なものだ。だがそれを使うことによって、魔界への順応をもしかしたら遅らせている可能性もある」

段々とルドガーの瞳が揺れていく。

「じゃあ、もし薬を止めて魔力が増えてきたら……」

そこで黙ったルドガーに、医術師は頷いた。

「君の懸念を晴らすためにも、やってみる価値はあると思うがね」

どういうことだろう。
もし魔力が増えてきたら、自分は魔族なのか?
よく分からない。けれど、そのときあなたに降って来た考えは――。

人間より魔族だったほうが、彼と同じ世界で幸せに生きられるのかもしれない、というものだった。

そんな小さな期待が、胸に灯り始めていく。

自分の過去や由来は謎だが、魔族になれば、皆の重荷にもならずに、あの守護者とも渡り合えるかもしれないと考えたのだ。
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