第8章 接触
「よし、ではそろそろさんを診てみようか。検査着に着替えたら、私を呼んでくれ。大丈夫、15分ぐらいで終わるよ」
あなたは同意し、前に小屋でゲアト医師に診てもらった時のように準備をした。
ルドガーは少しそわそわした様子だったが、あなたに「心配いらないぞ」と声をかけ、大人しく診察室で待っていた。
検査中は、服をはだけさせ寝台に寝転がり、目を閉じているだけだ。
窓を閉め切った真っ暗な部屋で、フォロは手を体の上に掲げ、宙の一点を見つめて調べている。
「大丈夫かい、何かあったら遠慮なく言っていいからね」
「はい、わかりました」
実際、リラックスしすぎて眠りそうだった。
あっという間に検査は終わり、服に着替えて診察室に戻る。
フォロ医師は別室に消えて、ルドガーと二人、ドキドキしながら書斎机の前で待っていた。
しばらくして彼は書類を抱え戻ってくる。
「じゃあまず、結果から伝えようか。さんの体にはとくに異常は見つからなかった。私が知る限りの、ごく普通の人間の種族だね。ただ、微量の魔力に関しては、こちらの世界に来たときに――分かりやすく言えば、歪んだトンネルのような場所を通ったときの後遺症で、魔力が備わることがあるんだ。きっとそのせいだと思うんだが、断定は難しい」
まず普通の人間だと言われて安心はしたものの、あなたはルドガーをちらっと見てみる。
彼は自分よりも話がよく分かったようだ。
「つまり、はやはり人間界のどこかから、魔界の森に迷い込んだということか? おかしな魔族に転生させられたとかではないのか、先生」
「うん……それはな、正直、可能性がないとは言えない。けれど転生させたのだとしたら、今の弱まった状態にとどめておくのは無理があるだろう」
……転生? なんのことだろうか。
もしかして、守護者がやったのだろうか。
あなたは二人の言葉が耳に入ってこず、頭がぐるぐるしてしまう。