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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集

第7章 【番外編】中身にご注意



「とにかく、中和薬ができるまでの二時間、何もしないで待ちましょう」

「オレは賛成……」
「なら、こいつを黙らせろ」


神田が長い銀髪を再び背後へ払う。

すかさず、ラビが声を上げる。

「あっ! 今、髪触ったろ!」
「顔にかかったんだよ!」


「だったらオレが退ける!」

「触んな、気色悪ぃ!」


「どうしろっていうのよ……」

考えれば考えるほど、訳が分からなくなってきた。


「頼むから中和薬ができるまで、ここから離れるな」

リーバー班長が疲れ切った声で告げる。

「室長。今度こそ余計なもの混ぜないでくださいよ」


「分かってるよー」

「その返事が一番信用できないんすよ」

コムイさんとリーバー班長は、慌ただしく研究室へ戻っていった。



残された神田は、壁へ背を預ける。

ラビはその正面へ立ち、神田が僅かに動くたび目を光らせていた。


「……何だ、鬱陶しい」

「監視してんの」
「殺すぞ」

「だからティファの顔で物騒なこと言うなって!」




しばらく耐えていた神田だったが、やがて限界を迎えたらしい。


「付き合ってらんねぇ」

吐き捨てるように言い、廊下を歩き出す。


「どこ行くんさ!」
「少し離れるだけだ。ついてくんな」

「ティファの身体で勝手に歩き回るなよ!」

「ラビ、待って」

追いかけようとしたラビの腕を掴む。


今度は先ほどのようなことにならないよう、慎重に。

それでも大きな手に掴まれたラビは、何とも言えない顔で私を見た。


「……中身がティファって分かってても、ユウに掴まれんの、すげぇ複雑」

「私だって好きでこの身体に入っているわけじゃないわ」

「分かってるけどさ」


言い合っている間に、神田は廊下の角を曲がり、科学班の作業区画へ入っていった。


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