【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集
第7章 【番外編】中身にご注意
ラビは改めて私の姿をした神田を見る。
そして、ふと思い出したように目を見開いた。
「つーかユウ!」
「何だ」
「ティファの身体なんだから、絶対どこも触んなよ!」
「……俺を何だと思ってやがる」
「一応の確認さ!」
「お前じゃねぇんだ! んなことするか!」
「オレだってしねーよ!」
ラビは即座に言い返した。
けれど、ふと口を閉じる。
「…………」
「ラビ?」
ラビの視線が、私の姿をした神田の方から、気まずそうに逸れる。
「……いや。でも、オレだったら、ちょっと見ちまうかも」
「死ね」
私の声で、神田が言った。
私も咄嗟に、手の甲でラビの腹を軽く小突いた。
――つもりだった。
慣れない腕の長さで距離を誤り、手の甲がまともに鳩尾へ入ってしまった。
どすっ、と予想以上に重い音が響く。
「ぐ……っ!」
ラビの身体がくの字に折れた。
両手で腹を押さえ、その場へ蹲る。
「ラビ!?」
私は慌てて彼の傍へ屈んだ。
「ご、ごめんなさい! 軽く叩いたつもりだったの!」
自分の――今は神田の大きな手を見下ろす。
普段と同じ力加減だったはずなのに、神田の身体は思っていた以上に強く動いた。
「大丈夫? 痛い?」
「ユウの身体で……ツッコミ入れんの、反則……っ」
ラビは腹を押さえたまま、掠れた声を絞り出した。
「自業自得だろ」
神田が心底呆れたように言う。
ラビは腹を押さえながら、恨めしそうに顔を上げた。
「お前の身体、力おかしいさ……」
「てめぇが軟弱なだけだ」
「神田も煽らないで」
「だったらユウも、一回自分の身体に小突かれてみろって……!」
悶絶しながらも即座に言い返すラビを見て、私はひとまず胸を撫で下ろした。
やがてラビは腹を押さえながら、よろよろと立ち上がった。
顔色は悪いものの、ひとまず立っていられる程度には回復したらしい。