【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌- の短編集
第7章 【番外編】中身にご注意
「…………」
ラビの片目が何度か瞬いた。
「何言ってんの?」
当然の反応だった。
姿も声も、どう見ても私なのだ。
しかも、つい数秒前まで自分が腰を抱いていた恋人である。
ラビは困惑した顔で私の身体を見たあと、コムイさんへ視線を向けた。
「コムイ。ティファ、頭打ったん?」
「頭は打ってないよ」
「じゃあ何でユウみてぇな――」
「ただ、神田くんと身体が入れ替わっただけ」
「…………は?」
ラビの顔が引きつった。
「室長のせいでしょーが!! ったく……」
リーバー班長が、コムイさんへ向かって声を張り上げる。
それから、頭を抱えたままラビへ向き直った。
「また変な薬作って、薬を被った二人の意識が入れ替わったんだ……」
そこで初めて、ラビの視線が私へ向く。
正確には、神田の身体へ。
私と、私の姿をした神田。
二人をゆっくり見比べる。
一度。
二度。
三度。
そして。
先ほどまで神田の腰へ回していた自分の腕を見た。
「…………」
何かに気づいたらしい。
顔がみるみる引き攣っていく。
「待って……じゃあ今……オレが腰抱いてたのって……」
「俺だ」
神田が即答した。
「……うわぁぁぁ」
ラビが両手で顔を覆った。
「最悪さ……よりによってユウ……」
「てめぇが勝手に触ったんだろうが!」
「知らなかったんさ! ティファだと思ったんだから仕方ねーだろ!」
「二人とも落ち着いて!」
私は思わず間へ入った。
けれど、神田の身体で止めに入ったせいか、ラビが一瞬こちらを見て妙な顔をする。
「……何?」
「いや」
ラビは非常に複雑そうな顔をした。
「……中身ティファなのに、ユウの顔でそんな喋り方されっと、脳がバグるさ」
「私だって被害者なのよ……」