第14章 14
‘‘ただいま警察へ通報しました。まもなく警察が到着します。皆様、落ち着いて避難してください。‘‘
構内放送に我に返った。
どれくらい、そうしていたのかわからない。
でもその言葉に悔しさの反面、ひどく安心した自分がいた。
そうなると私の耳にはとてもたくさんの声が聞こえてきた。
「押さないでください!」
「いやー!子供もいるんです!走らないで!」
「危ないな!どけよ!」
………今私にできること…。
「押さないでください!」
「走らないで!大丈夫です!」
「小さいお子さんをお連れの方はこちらへ!」
「慌てなくても大丈夫です!順番に避難してください!」
私は、思いっきり声を張り上げた。
こんなにも大きな声を出したのは、お正月の初売り以来だった。
でもパニックになっている人には、1回では届かない。
私は何度も何度も声を張り上げた。
少しずつ落ち着きを取り戻す人が増えていく。
それにつられるように周囲の人たちも冷静さを取り戻し、列を作って駅の外へと避難し始めた。
………よかった…。
私は胸を撫で下ろした時、
「おかーさん!!どこなのー!?おかーさん!!」
少し離れた所で子供が泣いている。
迷子だ。
私は子供の所まで駆け寄った。
「大丈夫?お母さんとはぐれちゃったんだね?おねえちゃんと一緒に探そう?」
私が話しかけるとひっく、ひっくと言いながら頷いた。
「怖かったね。よしよし、よく頑張ったね。」
私は子供を抱き上げ、駅の入り口を振り返った。
………今はまだ私に解体はできない…。
それでも…。
私は子供をしっかり抱き直して、母親を探し始めた。