第14章 14
軽い足取りで駅の前を通りかかった時だった。
「……なに…?」
いつもより人が多い。
それなのに、駅へ向かう人よりも、駅から離れるように足早に歩く人の方が多い。
中には走っている人もいる。
その顔は皆、恐怖や戸惑いを浮かべていた。
私は人の流れとは逆に、駅の入口へと近づいた。
改札の外にも多くの人が集まり、パニックになっている人や焦っている人、走っている人がごった返していた。
周りからは「こわい」、「どうしたらいいの」という言葉が聞こえてきた。
事件だろう、そう思った時、
‘‘駅構内で爆発物が発見されました。皆様は落ち着いて避難してください。‘‘
「…爆弾。」
心臓が嫌な音をたてながら早くなっていく。
………大丈夫、大丈夫、大丈夫…。
私は呪文のように心の中で呟き、深呼吸を繰り返す。
「…よし。」
幾分か落ち着いた。
………警察は……?まだ来てないの……?私が…、私がやらないと…。
私は意を決して歩き出した。
……でも…。
2.3歩歩いたあと、気持ちとは裏腹に足がどうしても進まない。
次の足がどうしても前に出ない…。
「………やっぱり、まだ無理なの…?」
工具たちを使えるようになって、修理もできて、少しずつ爆弾に対して克服してきた。
もしかしたら…解体できるようになっているかもしれないって思ったのに…。
悔しい…。悔しいよ。
私は唇を強く噛み締める。
その後も足は一歩と前に出なかった。